久々の小説も良いですね

旅行から帰宅後、久しぶりに小説を読んでいました。
今日読んだのは、

です。
先日京都に行った際の新幹線で、新幹線の月刊誌(飛行機にもあるヤツの新幹線版ですね。ちなみにグリーン車には無料で置いてあります)で紹介されていた本です。
たまたまその記事を読んだ時に、列車が木曽川揖斐川を通過していたので、「ムムッ、これは読まねば」と思った次第です。

で、内容はどういうヤツかというと、江戸時代幕府より、木曽川揖斐川長良川の河川治水工事を、薩摩藩が命じられるわけです。勿論薩摩というのは今の鹿児島ですから、現在の名古屋・岐阜あたりの治水工事なんてやらされるいわれは無いわけですね。

これは幕府の外様大名への圧力と、彼らの財政悪化による勢力の減少が目的だったわけです。
こう言うのは良くあったみたいで、宮城の伊達藩(伊達政宗を藩祖とするところですね)なんかも、神社仏閣の修理や、江戸城の改築なんかを命じられたそうです。

ところが当時の薩摩藩というのは財政破綻寸前と言う状態でとてもじゃないが、こんなものを命じられても引き受けようがない、と言うのがこの物語のスタートです。

治水工事がうまく行ったのかどうかは、現在も川岸に薩摩藩の紋(丸に十字)を祀った神社があることで分かると思いますが、最後が意外なくらい、アッという結末で驚きました。

この小説は昭和37年の作品で、38年に直木賞を獲っているんですね。すでにその時点で私は生まれていませんが、こういう作品が今でも売られていると言うのは日本のスゴいところだと思います。